
イエローナイフ・オーロラの旅 一晩め

トロントから、エドモントンを経て、イエローナイフへ。
エドモントンは、すっかり雪の中だったから、北へ来た・・・という実感。
日本からイエローナイフに向かう場合も、
バンクーバーからエドモントンか、カルガリ経由で行くらしい。
接続が悪くて、エドモントンで4時間も待つ。
おまけに出発が一時間遅れたが、
カナダでは当たり前と、現地の人。
新婚旅行で来たカップルも疲れたご様子。

エドモントン空港で、いったんターミナルビルから外に出て小さな飛行機に乗る。
ボンバルディアだ。ジェットだったので少し安心。
マイナス10度以下になっているから、身が引き締まる。
いよいよという気持ち。
離陸に向けて動き始めた飛行機がいったん止まると、
何やら、トラックが近づいてきて、
飛行機に向けて、放水を始めた。不凍液らしい。
主翼、尾翼、垂直尾翼と一枚ずつかけているからじれったい。
飛び立って、ちょうど窓際の席だったから、
外を見ると、星がたくさん。
隣のオジサンが読書灯を点けていたから
身体全体で小さな窓に覆いかぶさって。。。
見慣れない明るい星がひとつ。
明るさからするとどう見ても金星だが、
時間は、すでに夜の11時。
・・・日本では考えられないことだが、
緯度が高いから、金星が宵だけでなく、
夜が更けても見えているのだ。
幸先の良いビーナスのお出迎え。
イエローナイフに近づき、着陸態勢に入り、高度を下げていく。
だけど??
・・・灯りが何も見えない。
白いものが近づいてくる。
雪の積もった地面?凍った湖?
ようやく空港に近くなって、灯りが見える。

なんだか、とんでもないところに来てしまったという気持ち。

飛行機を降りて、息をすると胸が痛い。
これが−30度か〜。

ターミナルビルに入ると、白熊のお出迎え。
この下が荷物を受け取るターンテーブルになっている。
ホテルに着くと23時30分。
街の温度計は、−30度を表示している。
45分にロビー集合です・・・って、ええ?マジかよ。
レンタルの防寒具が部屋に入っている。
カイロに火をつけるどころか、防寒具に着替えるのに精一杯。
防寒下着に、シャツを着て、セーターを着て、
靴下を2枚履き、
レンタルの防寒具を着る。
焦る。
カメラは、PENTAXだけにして、今夜は軽く試すしかないか。
なんとか、集合時刻に間に合うと、
バスに乗って、鑑賞地へ。
オーロラ・ワールド社の鑑賞地である。
バスで、約40分。
バスの中から、窓越しに、淡い光の帯が・・・・
あれって、ひょっとして、オーロラですか。
鑑賞地到着。
バスを降りると・・・
降るような星空に、オーロラがくっきりと流れている。
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感動
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予想もしなかった光景
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ガイドの人は、鑑賞地の中の展望台やら、集合場所やらの説明をしてくれるが、
それももどかしく、早く、写真を撮りたい。
思わず、写真撮っていいですか?と三脚を広げてしまう。
最初の写真数枚は、大失敗。
みんなピンボケ。
焦点無限大を確認するのを忘れてた。
オリエンテーションがあるからと
展望台にカメラを放置したまま建物に入り、
戻ってくると、カメラがすっかり冷えている。
充電式のニッケル水素電池は使えなくなり、
リチウム電池に入れ替える。
電池の交換も手が冷え切ってうまく行かない。
空には見事なオーロラが連続して、
焦る。
何とか交換して、ピントも確認、撮影開始。
バルブにして、露出は、適当。
凍った湖、針葉樹の林。地表の光景も見事な鑑賞地である。
夜食には、カリブーのシチューとパン。
初日から満足。

東の凍った湖を望む鑑賞地から
左に白鳥座、中央やや左に織女星。
牽牛星はまだ昇っていないが、夏の大三角の昇る角度も日本とは違う。
夢中で写真を撮っていて、
気がつけば、足の指の感覚がなくなってる。ヤバ・・・。
レンタルの防寒具は十分だが、
ブーツが少し弱いみたい。

泊まったのは、「イエローナイフイン」
インターネットの環境が気になったが、部屋で、WiFiの電波がつかまったので、
接続して、クレジットカード番号を入れて問題なし。
一日10ドルほど。
快適。
ただ、部屋は、少々せまく、冷蔵庫もない。(要らないか・・・。)
化繊の掛け布団に触れるだけで、見事に静電気が起きて綺麗だが、
SDカードやら、PCを壊さないように要注意だ。

朝、軽い気持ちで外出したら、とたんに耳が痛くなって引き返す。
耳の防寒具は必携。
でも、この日は、−26度。春近し?

湖の上に作られたアイスロードを通って、
大型トレーラーが荷物を運んでくる。
カナダ北部には、多くの資源があり、鉱山がある。
通常は飛行機でしか行けないから、大量の荷物を運べないが、
冬になって、湖が凍結するとその上に道路を作って、大型トレーラを走らせる。
氷の厚さは1m以上、
40トンのトレーラがその上を走る。
それでも、氷が割れないよう、一定の間隔で、一定のスピードで走るらしい。
ここにも信じられない世界があった。

お昼にちょっと早い時間にファミレスに入って、
ワンタンメンと餃子にビール。
中華料理は世界中どこへ行ってもあまり味が違わないと聞いたが、
全然違った。
ワンタンの中はツミレみたい。
餃子の中は、ミートボール。皮も分厚い。
タレは、それこそソースという感じ。
でも、ま、独特で結構。
ここへ来て、こういうものを注文する方がおかしいか。
国営のカナディアンビアは、普通においしかったです。

陽があたっても、路面は凍ったまま

クルマが通ると灰色の雪が舞い上がる

ビジターセンターに入って、日本から来たと言ったら、
イエローナイフのピンバッジをくれた。

ビジターセンターの中には訪問客もないが、

少しイエローナイフに近づいた感
午後、睡眠。
ここではこのパターンで生活することにしました。

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